たった、1個のパンから

パンはもともと 嫌いだった。
学校給食のパンが食べられなかった。
当時は月に数回しか ごはんがでなかったのである。
がっかりだった。
きなこのまぶしてある揚げパン以外は
嫌で嫌で どうしようもなかった。

その後も 好んでは食べたことは1度もなかった。

ある日、某店の、でかくて丸い 見たこともないようなパンを食べた。
パンに対する考え方が180度 変わってしまった。

バゲットもそこで買って、食べてみた。
おいしくて、いっきに全部、食べてしまった。

自分で 作ってみたい。

しかしながら、どうすればよいのかわからなくて、
とりあえず、家のオーブンでできるんかなあ?
などと、考えた。

その頃、まさか、家にあるオーブンレンジでパンが作れることも知らず、
本屋で主婦の友社から出ている パン作りの本を買ってきて
材料をC&Cで買ってきて、
作る体制を整えた。

あの丸いでかいパンは、「パン・ド・カンパーニュ」と書いてあった。
さっそく それからと思ったが
なんか難しそうだった。
だから、一番さいしょのページから、
すべて作ろうと決めた。
毎日、作ったとしても
「パン・ド・カンパーニュ」までたどり着くには
30日はかかりそうだった。
これは試練なのだと、
バターロールを作りながら思った。

最初に自分で作ったそのバターロールを見て、
「簡単だ、これは。」と思った。
それが、とんでもない思い違いだと気づくのに数ヶ月かかった。

正直、「俺が作ったんだよな、これは?」と 感動した。
ドライイーストの「スーパーカメリヤ」が
魔法の粉に思えた。

数ヵ月後、ようやく、フランスパンのページがやってきた。
おいしくできた。
しかし、なにか 違うような気がした。
考えてみると、
どんな生地になればいいのか?
どこまで、こねれば よいのか?
どこまで、発酵させれば よいのか?
どう焼きあがれば おいしいのか?
なぜ、1次発酵、2次発酵があるのか?
なぜ、ベンチタイムが必要なのか?
いろんな材料の配合は どうやって決めるのか?
など、
いろんなことを全くわからずに作っていることに気づいた。

もっと 知りたくなった。

次の日、仕事場の上司にやめることを告げた。
「パン職人になろうと思います。」
と、私は言った。

仕事を辞めてから
もう1度 行きたい場所があった。
アイルランドのド二ゴール。

帰って来てから、
当時、高岡の中川にあった、「パン工房ブレッド」の堀さんに単刀直入に聞いた。

「パン屋になりたい。どうすればよいですか?」と。

それが、すべての始まりだったのです。
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by yui-2910 | 2009-02-01 22:38 | pann
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