トランジスタラジオ

まだ、中学生だった頃、当然お金など持ってるわけもなく、
ラジオが重要な音楽ツールだった。
毎日、毎日、「週間FM」をながめて、好きなアーティストのかかる番組をチェックした。

当時は「NHK-FM」しか入らなかったから、
「サウンドストリート」や、「クロスオーバーイレブン」は、
毎日聞いていた。
炊飯器用のタイマーをラジカセに取り付けて、
午後の「軽音楽をあなたに」も、カセットテープに録音して、よく聞いていた。

中学2年頃、RCサクセションの「トランジスタラジオ」がよくかかっていた。

 寝転んでたのさ 屋上で
 タバコの煙 とても 青くて
 内ポケットには いつも
 トランジスタラジオ
 彼女 教科書広げてるとき
 ホットなナンバー 空にとけてった

高校生になった僕は途方にくれていた。
清志郎の「トランジスタラジオ」のように
毎晩、自部屋の窓から行きかうトラックを眺め、ただ、呆然と
煙を吐き出していた。
今でも、鮮明な記憶として残っている。

僕と同世代の尾崎豊は、大人や社会と戦った。
しかし、高校生の清志郎はただ、途方にくれていたのだ。

その後ろには、僕も大好きな
マディウォータースやロバートジョンソンや、ザバンドやオーティスレディングや
ジミヘンドリクスや、その他もろもろの偉大なるブルーズマンたちが見え隠れしてた。

ニュースが流れる。
告別式だ。
テレビではだれも言わないが、清志郎の唯一無二の相棒の仲井戸麗市が
清志郎の愛器「ハミングバード」をかざしていた。
それを見た、我が息子、
「父ちゃんと、同じギターや!」

清志郎は、反骨の人ではない。
忠実な人、なのだ。自分に。

残念だ。とても。
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by yui-2910 | 2009-05-05 23:18 | 音楽
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