パン屋になる。Vol.9

パン工場の仕込みのこと。

工場でのパン作りはすべてオートメーションな感じがすると思われるでしょうが、
実は、そうではない。
中小の工場というのは、そのハザマの微妙なスタンスにあるといえる。

ただ、メインのミキサーは、「横型ミキサー」と呼ばれるものだ。
生地量にして、100キロくらいまで捏ねることができる。

それ以外に、私たちリテールベーカリーが使う「縦型ミキサー」が
大、中、小、と3つあった。
これは、私にとってありがたいことだった。
菓子パン生地や食パン生地のような大量に作るものは「横型」で、
バターロールやフランスパンなどは、「縦型」で、仕込んだ。

当然、「縦型」で仕込むのが好きだった。
生地の捏ねあがっていく過程がわかるからだ。
「横型」では何も見えないので、タイマーがなると扉を開き、確かめる。
しかも、100キロの代物である。
とてもパン生地とは思えない。
うごめく巨大な「餅」のようだった。

しかし、すこしづつ、自分の感覚をつかみかけていることが実感できた。
どういう生地状態がいいのか。
フロアタイムの季節ごとのとり方。
捏ね上げ温度の違いによる、出来上がりの違い。

「中種法」と呼ばれる工場での主流の製法では
特に、顕著にそれがでたように思われる。

あらためて思ったこと。
「これは、奥が深いのだ。やはり。」

そして、その頃、高岡の「ブレッド」の堀さんに
「週末に来てみないか?」
といわれた。

うれしかった。
何か、急激に走り始めた感じがした。

平日は工場。
週末は念願の「ブレッド」と、無休生活がついに始まった。

続きは、また。
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by yui-2910 | 2009-11-30 22:38 | pann
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