パン屋になる。Vol.11

パン工場の仕事と高岡の「ブレッド」での掛け持ちの日々が続いていた。
あいかかわらず、帰宅してからも家族のパンを家でも作っていた。

「パンを焼く」ことしか考えない日々が続いていた。

他人からみれば取りつかれたかのように見えたかもしれない。
私は、あせっていた。
ほかの職人が10年かかるところを3年でやろうと決めていたからだ。

しかしながら、「経験」には絶対にかなわないこともわかっていた。
ただ、確信めいた「手ごたえ」が欲しかった、のだ。

それなりに手際よくこなす。
ほかの人よりも綺麗に出来る。
そのことについては自信にもなったのだが、
自分のなかに、「確信」がないのだった。

「ブレッド」に私がお世話になった時、一人の女性が働いていた。
彼女は私よりも若かったが、
とても手際よく、なにをやるにも早くて綺麗だった。
知識も豊富で、私など足元にも及ばない感じがした。
彼女のレベルと同等まで追いつくのに必死で仕事に打ち込んだ。

前にも書いたんですが、
同じモチベーションの人間と仕事をするのは、
とても楽しいことである。
1人が分割し、もう1人が丸めるといった単純作業のひとつひとつが必死なのだ。

私は彼女より一足先に「ブレッド」を卒業したが、
今でも同じ空間で仕事をしたことが昨日のように思い出される。

彼女もまた、「ブレッド」を卒業し、結婚して、夫婦で店をやるという夢を実現させた。
ご主人はイタリアンのシェフである。
開店の日、私も微力ながらパンを作りに行きました。

高岡市和田の「NOCE」。
とってもいいお店です。
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by yui-2910 | 2010-02-08 22:34 | pann
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