パン屋になる。VOL.13

久しぶりに連載の再開を。

工場での仕事の中で、もっとも気を使ったのが、
「食パン」と「学校給食」のパンだった。
両方とも捏ね上げてからのフロアタイムを約20分とり、
ベンチタイムなしで、成形だった。

工場とはいえ、「プルファー」などといった、
ベンチタイムの温度、湿度を一定にする装置などなかった。

特に、学校給食のコッペパンには、悩まされた。
焼成後にパンがよく、へたった、のだ。
つまり、ふっくらではなく、底が平らに、べたー、となるのだった。
ちなみに学校給食のパンの配合は、何十年も変わっていない。
つまり、私が小学校の時に食べていたものとほぼ変わらない。

とんでもなく嫌いだったな。
給食のパンが。
油で揚げてキナコをまぶしたパン以外は、大嫌いだった。
どれだけ週1回のご飯の日を待ちわびたことだろう。
そんな人間が何十年かの時を経て、
まさか、その作り手にまわるとは思わなかった。
ただ、当時と違うのは、そのバリエーションの多さである。
人参を混ぜたり、米粉パンであったり、バジルを混ぜてみたりと、
その都度、いろいろなコッペパンを作った。

ある意味、私のような、学校給食のパンが嫌いな子供たちが少しでもいなくなることを
願いつつ、その範囲内でベストなものを作らねばならん!
と、思いながら、勝手に「加糖中種」を一般的な「中種」に変えてみた。
パンが、「へたる」のは、「加糖中種」が熟成しすぎるためだと思ったからだ。

結果的にはうまくいき、少しだけ、
パンのことがわかった気がした。

以前に、あるパン職人の方から、
「もっと、ちゃんと作っている職場で働きたいが、どうすればよいか?」と
質問を受けたことがある。
目的は違えども、その現場でやれることはあるはずなのでは?
と返答した。

私は、工場だったけれども実践できたことは沢山あった。

自分がまず、考えること。これに尽きる。
パンだけではないと
思いますが。
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by yui-2910 | 2010-04-15 22:30 | pann
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