山から見える原発。

剱岳。
途方もなく長い年月によって、氷河に浸食された峻嶮な山容。
針の山、であり、地獄の山。
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日本列島の数々連なるの山々の1つにすぎない。
このような山の1つ1つが長い時間をかけて現在の姿の山容がある。
今の姿は今でしかなく永遠ではない。
槍もしかりで、ずっと遠い未来には、その姿を変えている。
長い長い時間の流れの中で今を形成してきた自然の歴史のほんの
一瞬を僕らは見ているにすぎない。

素晴らしい情景と背中合わせの恐怖を痛いまでに感じることができるのが
山であり、その自然の凶暴性や暴力性を何年も登っていれば
いやでも体験することになる。

何百万年もかけて自然は歴史を刻んできた。
それに比べると人間の作り上げてきた「世界」など
やはりほんの一瞬でしかない。

今夏行った雲の平は祖父岳の噴火によってできた北アルプスの中のある台地だ。
その周りを黒部川源流が巻くように流れている。
急峻な山々に囲まれたヘソのように穏やかな台地。
そこをゆっくり歩いていると不思議な感覚に襲われる。
どこか別の次元に放り込まれたような。
ここもまた、長い自然の歴史の流れのほんの一瞬を見ているにすぎない。

平野部から山に向けて車を走らせるとすぐに森や林にたどり着く。
海からはさほど離れていないのにもかかわらず、ブナ林があったりする。
河川は山から海へと一気に流れ落ちていく。
外国、特にヨーロッパではまずありえない光景だ。
オランダ上空から眺めてみると、どこまでも続くチューリップ畑が、
アイルランドやイギリスでは、広大の牧草地があるように
森や林などほとんど見かけることはない。
日本の自然は特異なのだ。

大地は常に動いている。長い時間をかけて。
特に日本には急峻な山々、河川があり、活火山が今も活動している。
こんな国はほかには、ない。

もっと、広くて大きな捉え方をしてみよう。
こういう自然と格闘しなければならないような場所に日本人は住んでいる。
いや、住んできたのだ。
この日本人の歩みは自然との格闘の歴史でもある。
災害や地震との戦いの歴史である。

その時その時で何千年も前から繰り返し悲しみにくれつつ改善しながら
そこから復興してきた歴史である。

自然災害に「想定外」など、存在しない。
そもそも自然はいつでも「想定など到底できないもの」であるはずだ。

つまり、この国には
原発などいらん、というより、
作ってはならない土地である。

大きな視点に立たないと何も見えて来ない。
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by yui-2910 | 2011-09-29 17:44 | 日々の話
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