物言わぬ同志。
ずいぶんと朝晩が冷え込むようになってきました。
個人的にこの季節が一番やりやすい。 パンのことです。 夏場の厨房といえば35度以上になり、生地に熱をつけないように ミキサーのまわりから冷やしたりします。 でっかいたらいに氷水を入れ、外側から冷却する。 それでも夏場は熱がついてしまうから うちのようにたいしていい機械などない店にとっては 日々、これ格闘、です。 その季節も過ぎ去りはや10月の半ば。 このまま一気に師走へ突入し、シュトレンの季節。 つくづく、はやいもんだと 白くなった毛勝三山を眺めつつも 感傷、虚無、そしてまた、忘却。 そのたいしたことのない、いろんな機械やら道具の中にあって、 これがないとなんもできん、という道具が 「竿はかり」。 値段は忘れてしまったけれど、4~5万円はしたと思う。 高岡にある、はかりの専門店で購入した代物です。 非常に小さな古い店であった。 60代と思しき店主は親切な方であったのを記憶している。 ![]() 竿の傾きによって生地の重量を判断できる、非情に精度の高い、 極めてアナログな唯一無二の代物である。 すべてのパンの分割は、これなしでは、無理なのです。 おそらく壊れることもほぼないだろうから、 パン屋をやっていく限りは付き合うことになる。 それに引き換え、機械類は故障する。 しかも修理代も高い。 オーブン以外の「ミキサー」と「リバースシーター」(クロワッサンやデニッシュなど、(バターを折り込むローラー)は中古品だ。 何回か怪しい時もあり、ちょっと心配だ。 で、いったいあの「はかり屋」さんでは、この竿はかりは 1年で何台売れるのかが、なんか気になります。 しかしながら、「道具」というのは使えば使うほど 愛着がわいてくるものだ。 物言わぬ同志、でしょうか。
by yui-2910
| 2011-10-13 17:00
| pann
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