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パン屋になる。Vol.9

パン工場の仕込みのこと。

工場でのパン作りはすべてオートメーションな感じがすると思われるでしょうが、
実は、そうではない。
中小の工場というのは、そのハザマの微妙なスタンスにあるといえる。

ただ、メインのミキサーは、「横型ミキサー」と呼ばれるものだ。
生地量にして、100キロくらいまで捏ねることができる。

それ以外に、私たちリテールベーカリーが使う「縦型ミキサー」が
大、中、小、と3つあった。
これは、私にとってありがたいことだった。
菓子パン生地や食パン生地のような大量に作るものは「横型」で、
バターロールやフランスパンなどは、「縦型」で、仕込んだ。

当然、「縦型」で仕込むのが好きだった。
生地の捏ねあがっていく過程がわかるからだ。
「横型」では何も見えないので、タイマーがなると扉を開き、確かめる。
しかも、100キロの代物である。
とてもパン生地とは思えない。
うごめく巨大な「餅」のようだった。

しかし、すこしづつ、自分の感覚をつかみかけていることが実感できた。
どういう生地状態がいいのか。
フロアタイムの季節ごとのとり方。
捏ね上げ温度の違いによる、出来上がりの違い。

「中種法」と呼ばれる工場での主流の製法では
特に、顕著にそれがでたように思われる。

あらためて思ったこと。
「これは、奥が深いのだ。やはり。」

そして、その頃、高岡の「ブレッド」の堀さんに
「週末に来てみないか?」
といわれた。

うれしかった。
何か、急激に走り始めた感じがした。

平日は工場。
週末は念願の「ブレッド」と、無休生活がついに始まった。

続きは、また。
by yui-2910 | 2009-11-30 22:38 | pann

パン屋になる。Vol.8

パン工場の釜場で午前中汗だくになり、午後から成形作業をしていたある日、
配置転換を命じられた。
釜担当になりたいおじさんがいて、そのかわりに、私が仕込みにまわるというものだった。

願ってもないチャンスである。
確か、1月だったような気がする。

当然、朝が早い。
3時45分に出勤した。
車で3時過ぎに家を出る。
意外とその時間というのは、道路が凍っていないことに気づいた。
6時に出勤してくる人たちは、つるつるで怖かった、などと言っていたが、
3時台は、凍結していない。

NHK-AMの戦前の歌謡曲が流れるラジオを聴きながら車を走らせるのが日課になった。
日が昇る前の誰もいない、誰の車ともほとんどすれ違わないこの時間。
不可思議な時間だった。
今まで、飲んでこの時間にうろうろしていることは何度もあったが、
毎日起きて、通勤するなど、釣りに行くか山に行くか、それくらいしかないことだった。

寒い。
寒かった。が、凛とした空気が工場内に漂っている。
自分しかいない。
誰もいない工場の薄暗い電灯をつけて、自分のタイムカードを、ガチャン。
缶コーヒーを飲み、着替えをし、気を引き締める。

「もし、俺がミスれば、この工場のラインが今日1日、すべて止まるのだ。」

とんでもないプレッシャーだった。
なぜなら、
また、1人、だったから。

ただ、この経験が、今の私を作ってくれたともいえます。
2度と戻りたくない現場ですが・・・・。

また、痩せてしまった。(笑)
by yui-2910 | 2009-11-17 22:36 | pann

ライヴハウスの存在感について。

京都のライヴハウス、Nega-Posi。
7日に演奏しに行った。

The Band it。

私がやっているバンドである。
主に、京都で活動しています。
皆、40代のおっさんであり、まるで、しがみついてる亡者のようなバンドである。
しかしながら、そこに存在しているものは、
明らかに4人でしか出せない音であると、私は思っている。
表現したい、という欲求がある限り、
やって行きたいと思っている。
忙しい、などと言い訳している暇はない。

Nega-Posiの経営者でもある山崎さんという人間がいる。
私よりもいくつか年が上だ。
平気で、ずけずけと物申す人物だ。
自分自身の、あるいは、バンド自体の表現力がわからないとなると、
「自分ら、いったい、何がしたいんや?」
という人間である。
言われた人間にしてみれば、一生懸命にやってんのに、それはないやろう、という言葉やと思う。

要するにシビアなのだ。
自分の店で、おかしなものは見せられないというような。

上手いとか
下手やとかは、二の次であり、
「いかに、自分たちが表現しているか」
がポイントなのだ。
安易な猿真似はまったく受け付けられない。

こんな店が少なくなった。
店のオーナーの「耳」。
これだけで勝負している店が。

基本は対バン(バンド2つ)であり、ワンマンである。
今のライヴハウスは、一日に5つも6つもかちあわせて、高いチケットノルマを課す。
しかも、バンドの色は、ばらばらであり、何の統一性も、音楽性も、
店の色、も、ない。

京都では、Nega-Posiと拾得くらいである。
大阪には、皆無といっていい。

山に登りながら新しい曲を2曲作り、がっつり、演奏した。
多少、トラぶったけど、
いいライヴだった。
来ていただいた方々に、感謝。

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by yui-2910 | 2009-11-12 22:37 | 音楽